女性の患者さまから妊娠と顎変形症手術について、相談される事があります。
『治療中に妊娠するかもしれない。』
『現在、夫と子供の相談をしている』
『妊娠前・後、いつ治療をはじめるべきか』
といった内容になります。
私は、経験から3つの方法があると考えます。
1.術前検査・術前矯正を開始してしまう。
健康保険による治療ですと、術前矯正は最低6か月行う必要があります。ですから、妊娠前・妊娠中に術前矯正を進めるだけ進めてしまい、出産後
適切な時期に手術を受けれるように準備してしまうという方法です。実際に、矯正治療を開始されてから妊娠される方を数多く担当させて頂きま
した。プラークコントロールをしっかりして頂ければ、大きな問題になることは無いようです。
2. 出産後に治療を開始する。
妊娠・出産は体力的にも精神的も疲れるものであると伺っております。更に、口の中に矯正器具が装着されていますと口内炎を引き起こしてしまう
リスクも高いといえます。出産して、落ち着いた時に治療を開始するというのも正解の一つであると考えます。
但し、実際に子育てが始まりますと、忙しくて治療の事をすっかり忘れてしまい、5年位経ってから検査にいらっしゃる方もいますね。
3.サージェリーファースト法にて、まず手術を終えてしまう。
妊娠中に、顎変形症手術を受ける訳にはいきませんので、妊娠前にまず手術を終えてしまうという方法です。
矯正治療は、妊娠中でも受ける事ができますので 実に合理的な方法だと思います。
但し、サージェリーファースト法では健康保険による治療が行えませんので、治療費が高額になってしまうという問題があります。
どの選択肢にも利点・欠点があります。どの方法を選ぶかは患者さんと家族次第といえます。
妊娠・出産は人生における大切な一大イベントです。顎変形症治療と妊娠に関しまして、ご相談がありましたら遠慮なくお問合せ下さい。